キャーッ・ズバンっズドンっ

とある体育館のようなライブハウスに遊びに行った。

その会場には

前に一緒にアコースティックデュオをやろう!と約束したA君がいた。

A君は今日のライブへ出演するらしくバタバタと準備に追われていた。

久しぶりにA君の姿を見て

『あぁ バンドやり始めたんだぁ』と思いながらも

『何 浮気してんだよ!一緒にアコースティックデュオやろう!って約束したじゃないか。』と嫉妬し A君の準備が終わるのを待っていた。

しばらくし準備が終わり A君に近づき

『A君 久しぶり〜

ところでデュオの話は どう?』と話しかけた。

A君は

『はぁ?』というような顔で

『ジャムも出来ない人と演れるわけないじゃないですか〜』と いきなりこうだ。

一瞬 ぶん殴りそうになったのをこらえて

『だってA君から誘っておいて何言ってんだよ。待ってたんだぞ』

ごだごだ なりかけた所にA君のバンドメンバー達が心配して駆け寄って ケンカになりかけてるA君とオレをなだめだした。

『こうこう こういう訳だからオマエ達も 話は わかるよな?』

『そもそもオマエ達がA君をバンドに誘うから こんなことになるんだよっ バカヤロー!!』と たいしたセンパイでもないのにセンパイヅラしてケンカ上等モードに入っていってしまった。

あ〜だ こ〜だ 説教じみたことを延々と言っている所に 一人の友人が現れた。

B君だ。

B君もA君達のセンパイでもあり顔見知りだったが まずオレを見て

『Oh!久しぶり〜』

とハグしてきたのだが A君達とオレの空気が悪いことを察して

『どうした?』と


すかさず Aのヤローが いい子ぶりやがって 

『この人に からまれてるんです』と言いやがったので

『オイっ コノヤローっ お前が 〜〜〜〜だろうが〜っ』と

胸ぐらを つかんだら B君が

『原因は こうこうこうなんだろ?

だったらジャムできない アンタが悪いだろう』って

『えっ!?』『あっ!?』言い返せず 悪者になってしまった。

A君達とB君は『イェ〜イ』とハイタッチしながら会場へと姿を消していった。

何でオレが悪いんだろう!?

A君に誘われておきながら ギターがヘタクソだから やっぱり一緒に出来ない なんて言われB君にも ヘタクソなオマエが悪い って。。。

そんな話ある!?と ヘコんでいたら A君達のステージが始まった。

『カッコいい!!』

『これでよかったんだ。自分が間違っていたんだ。』と無理矢理 納得しながら ふと回りを見ると今日のメインのバンドメンバー達が すぐ横でライブを楽しんでいた。

このバンドは評判もよく人気があるので とても楽しみだ。

しかも そのバンドには C子という 可愛らしい子もいる。


もう さっきのゴタゴタなんて どうでもいい。

早く 聞かせてくれ。


カッコいいバンドだったのだが ようやくA君達の演奏も終わり いよいよC子の出番だ。

その準備の合間に体育館のギャラリーみたいな2Fから

『C子〜っ』と叫ぶヤツがいた。

どうやら知り合いらしい。

すかさずC子も手を振りヤツに近づいていった その時、

『にゅい〜ん』 とヤツの手が伸びだしC子の手をつかみ そのまま2Fへと引き上げられ しかも小部屋へ引きづりこまれてしまった。

唖然としながら その様子を眺めていると その小部屋から

『キャ〜っ』と

C子の悲鳴だ。

間髪いれず

『ズバンっ ズドンっ』と投げ飛ばされたかのような鈍い音がなり

『ヤバいっ 助けなくては!』と動きかけたその時

『キャ〜っ』『ズバンっ ズドンっ』と同じ悲鳴と音がした。

『何やってんだ コノヤロー』と2Fへ駆け込もうとしたら また

『キャ〜っ』『ズバンっ ズドンっ』と同じリズムで鳴ってくる。

ん?何か変だぞ!?


だんだん そのリズムに覚醒され 目を閉じ頭でリズムをとるようになっていた。

『キャ〜っ』・『ズバンっ ズドンっ』・

『キャ〜っ』・『ズバンっ ズドンっ』・

何だ この気持ち悪いような気持ち良さ

知らず知らずに 身体全体でリズムをとるようになっていて

その頃には もうC子のことなど 全く頭になく 気持ち悪くも気持ちいい

『キャ〜っ』・『ズバンっ ズドンっ』・

のリズムに完全にヤラレてしまっていた。


目を閉じたまま リズムにのり ノリノリ歩きで そのまま会場を後にした。

しかし その後も 目を閉じた状態で映像の無い 真っ白の中で鳴り響く

『キャ〜っ』・『ズバンっ ズドンっ』・

『キャ〜っ』・『ズバンっ ズドンっ』・

に だんだんとイライラを感じ リズムも音も変わってないのに気持ち悪い音へと変わっていき うなだれていた。

『あぁ〜  何だ この不快感。。』

そう思い ゆっくりと目を開けた。


あれ!?

夢か〜


『また変な夢を見てしまったなぁ』

と夢でホッとしたものの しばらく

『キャ〜っ』・『ズバンっ ズドンっ』・

が頭の中で鳴り響いている。


改めて考えてみると 悲鳴と投げ飛ばされた音なんだよなぁ。


怖い怖い。。



夢でよかった〜 って

けど夢って勝手だなぁ

最後には A君もB君もC子も みんな いなくなってしまうんだもんなぁ。


でも夢でよかった〜